家族葬という言葉はもうすっかり定着しましたが、実際の定義をはき違えている方も多くいらっしゃるようです。間違った認識で葬儀を行い後悔したという声も聞かれます。今回は私が考える家族葬についてお話しします。
そもそも家族葬とは?
家族葬とは・・・
ひと言でいうと「身内と親戚、そしてごく近しい、親しい友人・知人で送る葬儀」が正しいでしょうか。正しいでしょうか・・・と結んだわけは、ではいったいその範囲はどこまでなの?誰が決めるの?といった線引きが送る側の考え方ひとつで大きく変わるからです。
私の経験では200名の方が参列した葬儀でも家族葬と呼んだご遺族がいて、とても満足と仰っていました。もちろん数名から数十名だけで行う葬儀も家族葬であることに間違いはありません。このように、ご遺族の考える範囲で家族葬の定義が大きく変わってくるのです。
家族葬は人数制限での葬儀ではありません。式の流れも何ら変わらないのです。
家族葬を行う際の注意点
先に記したように、家族葬には人数の定義などはありません。しかし、現在の家族葬は参列者の少ない、あるいは内だけの小さな葬儀と捉えられてきています。そこで、家族葬を行う上での良い点と注意点をお教えしたいと思います。
◎家族葬の良い点
①身近で親しい方だけが集まるので一般参列者への気遣いに追われることがなく精神面、体力面にも負担が少ない。また、それにより故人様とゆっくりと最後を過ごせる時間が増える。
②お料理や返礼品の数は必然的に少なくて済むのでその分の費用がかからない。
③お呼びする方があらかじめ限定されるため人数の把握がしやすい。
◎家族葬での注意点
①社会的(全面的)なお別れをしないので、関係のある方々やお付き合いのある方には「家族葬で行う」旨の告知など理解を求めましょう。
②中途半端な形で訃報をお知らせしてしまい、弔問者が突然式場へお見えになり、急な対応に追われてしまう場合がよくあります。しっかりと「弔問は遠慮する」旨を伝えましょう。
③葬儀が無事に終わっても、後日、弔問できなかった方がひっきりなしに「お線香をあげさせてください」と自宅へ訪れたりお香典が届いたりと、その対応に追われてしまうケースがあるのが家族葬です。一息つくどころか逆に忙しくなってしまうことも多いのです。
④「どうして知らせてくれなかったの?しっかりと最後を送りたかったのに…」と故人様との付き合い度を軽視してしまい、その後が気まずくなってしまったというお話も良く聞きます。
この次が注意点!!
⑤意外!?かもしれませんがお香典収入が少ないので、実際にはご家族の費用負担が高額になってしまうケースも見受けられます。
人数や規模、祭壇の派手さなどで葬儀の良し悪しは決まりません
故人の想いを尊重し、故人様らしく、またそのご家族らしい最後のおわかれの場を創り上げることが一番だと思います。家族葬では幾つかの注意点はありますが、故人様ゆかりの方々に集まっていただき、祭壇、棺、骨壷、ご遺影、お花飾り等々、ご家族の想いで最後のお別れを創り上げて欲しいと考えます。
祭壇もお呼びする人数もご遺影写真もお棺も、家族の想いが詰まった葬儀それこそが「家族葬」であり「家族想」として登戸の杜はお手伝いさせていただいております。
みなさんが考える家族葬はどんなものでしょうか・・・?