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故人様が身につける装束

のぼりとの杜コラム

仏教では、故人様が亡くなってからお着せ替えする服装の一つに経帷子(きょうかたびら)があります。経帷子とは、白い着物のことです。白装束(しろしょうぞく)とも言いますが聞いたことありませんか?
亡くなってからの四十九日間、この経帷子を身に着けて旅をするといういわれがあります。これが旅支度です。
旅支度は経帷子のほかにも数珠や足袋など、様々なものがありますのでご紹介いたします。

①経帷子
白い着物です。身に着ける際は逆さ事に習い、左の襟が手前に合わせて着ます。

②天冠(てんかん)
正式には額に着けるものですが、現在はお顔の印象が変わってしまうとの事から、額に着けずにお棺の中にお納めしています。諸説ありますが、こちらは四十九日の旅の中で出会う閻魔様に失礼のないように正装として身に着けるものと言われています。

③数珠
故人様の手元に掛けて差し上げます。弊社でご用意するものは可燃性の素材で作られているため、お棺の中へ納めることができます。

④手甲(てっこう)
手の甲に着けて、日差しや草木によるすり傷から手を守る役割があります。

⑤脚絆(きゃはん)
手甲と同様に外傷から守るものです。脚絆は脛(すね)に着けます。

⑥足袋(たび)

⑦わらじ
足袋とわらじは皆様も馴染みはありますよね。

⑧頭陀袋・六文銭(ずだぶくろ・ろくもんせん)
頭陀袋は首にかけられるように紐の付いた小物入れです。六文銭とは昔のお金で、三途の川の船賃と言われています。なくさないように頭陀袋の中に入れることが多いです。現在は六文銭は印刷物で代用しています。

そのほかには魔物を追い払うための木製の杖や日よけのための編み笠も一緒に納めます。
これで四十九日間の旅の準備が完了です。
ちなみに浄土真宗ではこのような旅の支度は必要ありません。

また、これらの旅の支度を身に着けずに最後の旅立ちはお気に入りのお召し物でももちろん可能です。
お出かけの時に良く着ていたワンピース、現役時代のスーツ、子供たちがプレゼントしたお洋服・・・何でも良いのです。天国への旅路はお気に入りのお召し物で。素敵だと思います。最近ではとても要望も多くなっています。
生前にこんな事を考えるなんて不謹慎…と思ってしまうかもしれませんが、事前に考えておくことにより心に少し安心感が生まれ、より良いお別れになるのではないかと思います。
その人らしい旅たちの服を選び、良いお見送りにする事が大切です。

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