葬儀の形の多様化時代ではありますが、それでも日本のお葬式は8割が仏式と言われております。
仏式のお葬式とはご住職にご供養いただくお葬式を指します。ご住職からは通夜、葬儀と読経をしてもらい、戒名を授かり仏の世界へ導いていただくわけであります。
ご家族の心の内では「どうか天国まで無事にたどり着けますように」「あの世でゆっくり休んでね」「先に行っているおばあちゃんと仲良くね」など故人様への想いを馳せると思います。
日本に仏教が伝わる以前は死というものは恐ろしい悪霊と思われていたそうです。しかし、日本に仏教が伝わると死というものをしっかりと意味付けし、死は恐ろしいものではなく極楽への旅路であると教示してくれました。
人が亡くなることを成仏(じょうぶつ)すると言います。これは「仏様に成り代わる」すなわち成仏するというわけです。仏の世界は煩悩を断ち、苦のない世界と言われています。「ゆっくり休んでね」と声を掛けるご家族の気持ちは「仏様になって穏やかに過ごして、私たちを見守っていてね」に通ずるのだと思います。
日本人は情に深い仏心を持つ人種です。とても誇りに思います。嫌なことや辛いこと、時には怒りの瞬間があっても人を敬い助け合う優しい心が仏心でしょうか。よく「仏の〇〇」などと慣用しますしね。私も日頃から心がけてはいますが、できるようでなかなかできません。
仏様になる心はもっともっと奥が深いようにも思います。
真の仏心というものは仏様になった時にわかるんだろうな…。