天寿を全うする命もあれば死産という形で芽生えた命が終わる。寿命のいうものは誰も支配はできません。
死産という形で命が終わっても尊厳を守って送る必要があります。
死産とは母親のお腹の中で命が絶え娩出されたことを言います。法律では妊娠12週から22週までに死亡した胎児の娩出は死産となり、市区町村へ死産届の提出の義務が生じます。死亡届ではなく死産届という書類になります。そして、火葬許可証の発行がされ火葬いたします。
すなわち、皆さんがイメージする葬儀の流れと何ら変わりません。手続き書類の名称が少し違うだけで特別なものはありません。
なお、妊娠22週目以降での死産の場合は死産届ではなく死亡届となり、出生届の提出も行います。戸籍として認められるわけです。
お葬式は?
文中でも書きましたが、何ら変わらない流れを踏み火葬の手続きを行います。お葬式の準備も何ら変わりません。住職による読経での供養であったり、火葬までは自宅で一緒に過ごし荼毘に付すなどその方にとって一番の選択ができます。相応しいお葬式のカタチで見送ることが大切です。
火葬の注意点
胎児の場合、火葬場にもよりますがほとんどが一番早い火葬炉の時間となります。少しでもお骨を残すために、火葬炉の温度が上がりきらない早い時間に火葬を行うためです。
収骨では小さなお骨ですが残るようにと火葬場の方々も一生懸命です。お骨は生きた証です。現在では骨壺も小さな可愛らしいものもあります。
その後の供養
お墓の選択肢も同じです。ゆっくり考えて良いのです。
菩提寺様がおられるときはお寺のお墓に納骨となると思います。しかし、ご自宅で手元に置き、当面は一緒に生活するという選択肢も良いと思います。当然、散骨や樹木葬、納骨堂もOKです。
最後に
胎児のお葬式は生きてお子様に会えなかった親御様の気持ちを考えると計り知れないものがあります。グリーフの観点は別の機会に触れるとして、今回は胎児の場合のお葬式の流れとして記させていただきました。